火曜日

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ユーザーは自分の意思でソーシャルメディアにアクセスして活用していると思っているはずですが、実際にはソーシャルメディア企業が周到に用意したデザインや機能によって、ソーシャルメディア上で長時間過ごし、また1日に何度もアクセスするように仕向けられているのです。

だからこそ、フェイスブックで“いいね!”を開発したジャスティン・ローゼンスタインは、「私たちの心はソーシャルメディアにハイジャックされていて、私たちの選択は思っているほど自由なものではなくなっている」と発言しています。

また、“引っ張って更新”の機能を最初に開発したローレン・ブリクターも、「ソーシャルメディアは中毒性が高いし、“引っ張って更新”機能も中毒性が高いので、これらは人間に良くない」と明言しています。

そして問題は、アテンション・エコノミーの下でソーシャルメディア企業がデザインや機能を駆使してユーザーのアテンションを惹きつけ続けていると、それを使うユーザー側の思考と行動にも大きな影響が生じることです。

人は、ソーシャルメディア上でアテンションを惹かれたものに即応するというパターンを繰り返すうちに、考えるよりも直感に基づく判断・行動が当たり前になってしまうのです。

その結果、2つの問題が生じます。1つは、人がネットやソーシャルメディアに求めるコンテンツも、内容は地味だけど大事なもの、自分で考えることが必要なものよりも、とにかくセンセーショナルなもの、怒りや同情など直感的な感情に訴えるものがウケるようになります。

もう1つは、ネットやソーシャルメディア上で長時間こうした行動を繰り返していると、人間の脳はそうした環境に慣れてしまい、ネットに限定せずリアルの世界でも、行動がロジックや合理性よりも直感や衝動に基づくようになってしまいます。

このように考えると、たとえば昨年の米国大統領選でトランプが勝ったのは、もちろんトランプ本人による民衆の不満を捉える能力やフェイクニュースの役割も大きかったとはいえ、格差の拡大で米国民の不満が高まるなか、そもそもアテンション・エコノミーというネットの構造自体が、そしてそれによる人間の思考・行動パターンの変化が、トランプ勝利のお膳立てをしたと言えるはずです。英国のEU離脱についても同様です。



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