“かつて、ある欧州の厳格な孤児院で、 子供達は、子供達の自立心を尊重されながら、 厳しく教育されていたそうですが、 ある時現れた日本人スタッフが、 日本人のいつもの調子で、 「あら、なんとかちゃーん」的に笑いかけたり、 おどけた顔であやしたり、ベタベタ抱っこしたり、 手をつないだり、一緒に寝たりと、 ぼくらには、わり合いに馴染みのある接し方をし始めて、 孤児院内では、 他の欧州のスタッフから違和感をもたれ、 大顰蹙だったそうですが、 しかしながら、やがて、 いつまでも心を開かなかった子供や、 意欲がなかったり、 きわめて反抗的だった子供たちが、 「あら、なんとかちゃーん」の影響で、なのか、 みょうに明るく素直に振舞うようになり出すのを見て、 ついに欧州人スタッフたちも、 この日本人の目に余る、 べたべたとした接し方の中に、 もしかすると、何か、 生き物として無視出来ないエレメントが、 隠されているのかもしれないと思い始め、 彼の日本人スタッフの 「あら、なんとかちゃーん」的な接し方を、 おっかなビックリ取り入れ始めたとのことでございましてね、 この他人に対して、油断出来るまでの情愛でもって接するのが、いつのころからか、このユーラシア大陸の東の端に住み着いて生きてきた、ぼくら日本人の心情の中に自然と宿った、他国にはあまりない緊張感のない情愛なのだなと思うのであります。 他の生き物に対してとる、日本人の、 この、なんともゆるい愛情表現。 この、とてもじゃないが英雄は生まない、 なんとも甘やかしてしまう楽ちんな風土。 この心情的に呑気な風土と、 日本のという辺境の地に現れた、 気候温暖で清涼な水にあふれた風土との間に、 大きな関係性があるように思うのであります。”— [水曜どうでしょう official website] (via soulboy)