whimsy:
“というのは、最近の特捜検察(特に東京地検特捜部)は、郵便不正事件前に戻ったかのように、権力を自在に行使し、その存在感を誇示する“イケイケ路線”が目につくからだ。 たとえば2017年に着手された、JR東海のリニア中央新幹線の発注に絡む談合事件。裁判を傍聴していると、JRの調達の仕方にも大いに問題があったのに、検察はそうした事情は一切捨象し、物事を単純化したうえで、無罪を主張する者を逮捕・起訴し、長期間の身柄拘束を行う一方、検察に従順な態度をとった当事者は、逮捕どころか起訴もしないという対応をとった。まったく同じ行為に関わっても、検察に従えば許してもらえるが、逆らえば犯罪者にされる。検察権力の強大さを知らしめる、ある種の見せしめが行われた事件だ。 2018年11月に着手された日産ゴーン事件では、裁判所が保釈を認めると、証拠がそろっていない別の容疑で逮捕し、起訴後に海外での証拠集めをすることになったために、裁判開始が遅れ、被告人の迅速な裁判を受ける権利が侵害されている、という指摘もある。 そうした特捜検察に対しては、冷静な論評が必要だと思う。最近のIR汚職に関しても、捜査によって中国企業が政治家に金をばらまいている実態が可視化されたのは大いに意義があったが、個々の政治家が罪に問えるかどうかは、また別問題。それについては、今後の裁判をきちんと見ていかなければなんともいえない。マスメディアは、逮捕時に大きく報じた特捜事件でも、裁判になると初公判や論告、最終弁論、判決という節目の手続きだけを取材・報道し、証人尋問や被告人質問を“スルー”する傾向がしばしば見られるが、本件ではそういうことがないように願いたい。”
— 江川紹子が解説【検事長定年延長】は何が問題か…正当化できない“脱法的人事”の果てには