“彼はいつでも自分に会いに来てくれる――ただの同僚であるにも関わらず、彼女はそれを確信している。彼が話しかけて来ないのは、自分と対面することが気恥ずかしいからであって、彼があの女性と親しく話をしているのは、きっと私に仲が良いことを見せつけて、嫉妬させようとしているのだ―― 患者は何の疑いもなく、相手から熱烈に愛されていると確信する。クレランボー症候群(またはド・クレランボー症候群やドゥ・クレランボー症候群とも呼ばれることがある)は妄想障害・恋愛妄想(エロトマニア)の一種で、J.E.Dエスキロールというフランスの精神医学者が発見し、その研究を受け継いだ同じフランスの精神医学者であるG.G.deクレランボーにちなんで名付けられた。 このクレランボー症候群の最も特徴的な症状、それは相手が好意を持っているという事実的根拠が無いにも関わらず、相手が自分を熱烈に愛しているという強い確信を持っているということだ。この確信ある妄想を訂正するのは非常に困難である。”