“イランの旅も残り半分となったところで、「世界の半分」と呼ばれる美しい町、イスファハーンから高速バスで16時間行ったところにある、聖地マシュハドへと向かうことに。長旅に備えて何か食べようと思い、バス停付近のカフェに入ったものの、メニューはすべてペルシャ語。何が書いてあるのか全く分からなかった。 僕が迷っていると、こぎれいな格好をした男性が流暢な英語でメニューを端から端まで教えてくれた。注文まで代わりにしてくれ、ご飯を食べながらしばらく談笑していると、彼の奥さんと娘さんがやってきた。彼らはこの日、テヘランへと向かうそうだ。 「そろそろバスの時間だ。またどこかで会えるといいね」 一緒に席を立ち、レジで清算を済ませようとしたら、「もう払ってあるよ」と店員のお兄さんが言う。なんと、僕の分まで払ってくれていたのだ。 慌てて「払うよ」と財布を取り出そうとしたが、彼はそれを制してこう言った。 「今、この国のゲストは君なんだ。イランを楽しんでくれ」 あまりにも自然に出てきた言葉にあっけにとられ、彼らが去って行く後ろ姿を見送ることしかできなかった。ただ、彼の言葉だけが、僕の心にずっと残っていた。”— イスラム文化に学ぶ「おもてなし」の心!イランのバス停で紳士が残した最後の言葉 | TRAVELERS BOX (via tatsukii)