日本は古くから銀行キャッシュカードで磁気ストライプカードを採用しており、日本独自にデータフォーマットが定められていました。クレジットカードも発行当初、銀行キャッシュカードに合わせたため、後になって国際規格(ISO7810)に定められる仕様の磁気ストライプを採用しようとすると、フォーマットが異なり困ることになりました。
結果的に、日本のクレジットカードでは、カードの表側に日本固有の磁気ストライプ、裏面に国際規格の磁気ストライプと、カードの裏表両面に磁気ストライプが貼られています。特に表面はデザインの一部と重なるので、日本の印刷会社が持つ「巧みな印刷技術」によってきれいに隠蔽されています。そのため、表面に貼られた磁気ストライプに気付くことはありません。しかしその「巧みな印刷技術」は日本以外に使える場面が無く残念です。
JIS規格では日本固有の仕様をJIS-II、国際規格のものをJIS-Iとして区別することになりました(JIS X6301、X6302)。その後、JIS-I、JIS-IIという呼び方はなくなって、現在ではJIS-IがJIS標準規格、JIS-IIは付属書にある派生仕様となっています。しかしカード業界に詳しい方は、今でもよく「ジスイチ」「ジスニ」と呼んで区別する人がいます。
2つの磁気フォーマットが存在するために、日本の決済端末は両方の磁気ストライプを同時に読み込むという、少し複雑な構造になっています。最近ではほぼ無くなりましたが、かつて表側の磁気ストライプ(JIS-II)のみしか読むことができない古い決済端末やATMが存在し、海外発行カードなどが利用できないという問題が発生することもありました。
”- 「国際標準」と「日本独自」を考える | NFC & Smart WORLD (via deli-hell-me)