“任意の3角形ABCを持ってくる。角BACの2等分線と辺BCの中点Mから引いたBCの垂線との交点をPとする。Pから辺AB、ACに下ろした垂線の足をQ、Rとする。このとき、3角形APQと3角形APRは合同、3角形PBQと3角形PCRも合同と示せる。このことから、辺ABと辺ACの長さが等しいとわかり、「すべての3角形は2等辺3角形」という珍定理が再び証明されることとなってしまう。 さて、腕自慢の読者にはこの証明のどこが誤りであるかを見抜いて欲しい。実は、この証明の誤りはものすごく深いところにあり、それはユークリッド幾何の公理系からは解き明かせない。つまり、この証明の誤謬は公理まで届く深い傷なのである。”
- 無限を読みとく数学入門 世界と「私」をつなぐ数の物語 (角川ソフィア文庫) / 小島 寛之 (via qsfrombooks)