“■友人が人を殺してるかもしれない 少し前、友人と二人で飲みに行った。彼は乱用された意味のリア充ではなく、自律してうまく社会に溶け込み、現実世界を丁寧に生きているという意味でのリア充だ。満遍なく人当たりがいいという感じで、特別親しい友人は多分いないと思う。でも、毎日楽しそうに見える。お互いビリヤードが好きなことがわかったので、思いつきで誘ってみたら、普通に承諾してくれた。ビリヤードが終わった後に、居酒屋に行き一緒に飲んだ。今までの飲み会や打ち上げを見る限り、彼は酔いやすいタイプってわけでも、酒癖が悪いタイプでもないが、ビリヤードの時も飲んでいたせいか、お互い出来上がってしまった。出来上がった私がさらに勧めるせいで、相手はさらに酔っていた。人間は酔うと、本性が出るのか、口が軽くなることが多い。私もしょうもない暴露話をいくつかした。過去の恥ずかしい話や、やってしまった変なことなど。そしたら彼もいくつか話してくれたが、その中にとんでもないものが混ざっていた。なんでも、少し前はバックパッカーだったらしく、途上国や新興国によく行っていたらしい。そして、その目的が「殺人が簡単にできるから」と言っていた。インドやトルコの市街地の奥に行くと、人が数える程度しかいなくなるらしい。その時、外国旅行者として道に迷った風に近づくと、言葉が通じる通じないに関わらず、相手は警戒心を少し解くらしい。そしてその瞬間に、ナイフで殺すか、首の骨を折るらしい。彼曰く、首の骨を折る時は、映画みたいに首を横に回すのではなく、顎と頭のてっぺんを掴み、縦に回すらしい。とても簡単に折れていい音がすると言っていた。ナイフは夜に、黒くて捨てれる衣服などを用意した上で行わないと目立って危険らしい。事件にならないのは、たぶん警察が先進国に比べザルなのと、被害者が社会的地位があまりに低く、事件が発覚しても警察が捜査に乗り気にならないからだと言っていた。もうこの時点で私の酔いは本能的に醒めていたが、酔ってあんまり聞いていない感じを出さないとと直感的に思い、酔っ払いの相槌を打っていた。今はもう海外に行くことは少なくなったけど、最近はホームでの突き落としにはまっているとも言っていた。彼曰く、かなり混んでる時の一番前あたりに待機している人に、できるだけ身体を寄せた上で、必要最小限の腕の動きで、腰の少し上の背中を押すことが重要らしい。骨の砕ける音が本当にすると言っていた。みんなスマホか前や足元しか見てないから、案外本当にバレないらしい。今までで14,5回はやったと言っていた。何より怖かったのが今もやっていることと、本当に自然に楽しそうに話すところだ。声は周りに聞こえないよう少し抑えていたが、それでも普通の談笑のように話していた。結局、その後お互い普通に別れ帰宅した。後日会った時に、彼が「そっちが嘘っぽい話したからこっちも乗ってあげた」と言っていた。その時も、普通に談笑するように言っていたので、自然とこちらも合わせて騙されるところだったと笑い合った。でも、どうにも嘘に思えない。細かいところは説得性があったし、彼がバックパッカーだったのも、実は前に小耳に挟んでた。正直、今でもよくわからないし、どうしたらいいのかもわからない。というか殺す動機を聞いていなかったので、それも未だにわからない。最近じゃ、うまく繕ってはいるが、彼に会う度に、殺人鬼と接していると思うとゾッとする。もし本当なら、証拠なんてないだろうし、下手に動けばこちらの身が危ない。幸い彼はリア充で、ネットのこういうところには疎いので、これを見ることはないだろうけど、やはりまだ少し怖い。社会に溶け込んでるサイコパスとかって、たぶんあんな器用なリア充なんだと思う。”— 友人が人を殺してるかもしれない (via crossbreed)