では、なぜ日本の道路は左側通行になったのだろうか?
日本の道路が左側通行になったのは、1900年(明治33年)の「警視庁令」(道路取締規則)による。先にも触れた『舗装と下水道の文化』(岡並木)によれば、のちに初代警察講習所長となった松井茂は「特別な理由や研究に基づいたものではない。なんとなく左側通行がよいと考えた」からだったと回想しているという。
「なんとなく」という決め方に驚かされるが、さらに以下のようなエピソードが紹介されている。
陸軍ではすでに右側通行が実施されていたため、警察としては右側通行を主張する当時の内大臣・西郷従道(西郷隆盛の実弟で日本陸海軍建設の功労者)を説得する必要が生じ、その任に当たった松井と西郷の間でこんな会話が交わされたのだという。
西郷から左側通行の根拠を厳しく問われた末に、松井が「(左側通行には)別に理由はありません。ただこれだけですよ」といって左の腰から刀を抜くまねをしたら、「うむそうか、よかろう」といって西郷は承知したのだという。武士が左腰に刀を差していたから、ということらしい。松井氏自身がこのように回想しているそうだが、重要な決定というものは、案外こんな理由で決まってしまうのかもしれない。
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つまるところ、日本の道路が左側通行になったのは英国の影響ではないのである。左側通行ということで、なんとなく同じ島国である英国に親近感を感じる人は少なくないだろうが、単なる偶然の一致に過ぎないというのが真相らしい。
”- 日本の道路が左側通行になった意外な経緯 世界のスタンダードは右側通行 | JBpress(日本ビジネスプレス)