火曜日

copipe

・冬季オリンピックのスケートだとか、
スノーボードやスキーの超絶技巧の戦いを観ていて、
「ああ、いまの時代の選手じゃなくてよかった」と、
生ぬるい感想を持ってしまう。
っていうか、おれは昔も選手じゃなかったんだけどさ。

世界的な競技大会だから、競争も激しいし、進化も速い。
そこに出場できるのは、ふつうじゃない人なんだから、
そういうトップクラスの人たちのやることは、
どんどん難しくなっていってもしょうがないよ
‥‥というふうに考えることもできるのだけれど、
実は、選手でもなんでもないふつうの人も、
とんでもなく困難な競争のなかに投げ込まれている。
いる、と決めつけるわけにはいかないのかな。
いるような気がする、ということにしておこう。

ぼく自身が、取材などでこういう言われかたをする。
「とんでもなく売れっこで、多忙だったときに‥‥」
と前フリがあって、その後にメインの質問になるのだが、
その前フリをさえぎってこう言うのが常だ。
「その時代は、ぜんぜん忙しくなかったです。
いまのほうが、そのころの8倍くらい忙しいです」
8倍だの100倍だのという形容はともかくとして、
人びとが想像しているような当時のぼくの忙しさは、
さほどでもなかったというのは、ほんとうのことだ。
年寄りになってからのほうが、8倍から100倍忙しい。
鼻で笑われるかもしれないけれど、
ぼくは「ほぼ日」をはじめて以来、
ぼくなりの全知全能を尽して仕事をしている。
時代に合わせた知識の更新もできるだけしているし、
あれこれやることはできるかぎりやっている。
それでもアホはアホなので、これ以上のことはできない。
アタマよくなるのはあきらめたはずなのに、
アホでもやれることはいくらでもあるからずっと忙しい。
生きるのってこんなに難しかったっけという思いはある。
「難しいけどおもしろい」ということもあるから、
なんとかやり続けているけれど、
「たかが糸井重里」やっていくのが、
これほどたいへんだとは、思ってもみなかった。
みんなも、「昔」よりずっと大変なんじゃないですか?

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
もっと簡単にならないものかなぁ、生きるということがさ。



- 今日のダーリン 2018/2/27(Tue)