ツイートや失言、無神経な言動の数々はいったん忘れよう。ドナルド・トランプ氏の外交政策に対する最も痛烈な批判は、米国が苦労して手にした世界のリーダーの座をリスクにさらしているというものだ。
この批判には説得力がある。トランプ氏はパリ協定を離脱し、大なたを振るって国務省を「再構築」し、環太平洋経済連携協定(TPP)を投げ捨て、人権問題を無視する一方で独裁主義者たちにすり寄っている。これらが米国の地位に与えた打撃は、トランプ氏のツイートを全て合わせたより大きい。
一方で、政権を根気よく擁護する人々があまりに賢いため、批判する側はトランプ氏の明らかな狂気に対する方策を見いだせずにいる。何にでも反対する彼らが低い次元での闘いに甘んじる一方で、トランプ氏は高い次元の勝負を制しているのだ。
例によって真実はもっと複雑だ。トランプ氏はビスマルクの再来ではない。その気性や受けてきた教育、これまでの経験からすれば、厳しい時期に米国の外交政策のかじ取りをするだけの準備もできていない。だがトランプ氏の行動には、秩序ではないにしてもパターンがある。また、トランプ氏の発想や直感や衝動の組み合わせは、同氏を最も痛烈に批判する人たちが思うほど米国のニーズに合わない訳でもない。
トランプ氏に好機をもたらしている要因は何なのか、まだ理解していない外交政策専門家は多い。冷戦後の米国家戦略は息切れしているのだ。
”- 【寄稿】トランプ氏が現実に引き戻す米外交政策 - WSJ (via futureisfailed)